仕事が終わって家に帰ると、もう一度出かける気力はない。週末も、電車に乗って知らない集まりに行くのは少しおっくう。でも、好きなことを誰かと話したい気持ちはある。
そんなとき、選択肢のひとつになるのがオンラインの趣味の集まりです。家から、部屋着のままでも参加できて、終わったらそのまま布団に入れる。近くに同じ趣味の人がいなくても、画面の向こうなら見つかることがあります。
ただ、オンラインには対面とはちがうむずかしさもあります。話しかけるタイミングがつかみにくかったり、何をどこまで見せていいのか迷ったり。この記事では、オンラインで趣味友達を作りたい人に向けて、集まりの探し方から、参加前の準備、画面越しならではの気をつけたいこと、仲を深めるコツまでを順番にお話しします。
オンラインで趣味友達はできる?向いている人と向いていない人
結論から言うと、オンラインでも趣味友達はできます。ただし、対面とは仲良くなるまでの道のりが少しちがいます。
対面の集まりだと、帰り道が一緒になったり、休けい中にたまたま隣になったりと、「ついで」の会話が自然に生まれます。オンラインにはこの「ついで」がほとんどありません。全員が同じ画面を見ていて、一人が話すとほかの人は聞く側に回る。そのぶん、ひとつの話題をみんなで楽しむのには向いていますが、一対一でじっくり話す機会は少なめです。
オンラインの集まりが合いやすいのは、たとえばこんな人です。近くに同じ趣味の集まりがない人。小さな子どもがいたり、仕事の時間が不規則だったりして、夜に出かけにくい人。いきなり対面で会うのは緊張するので、まずは雰囲気を知りたい人。マニアックな趣味で、地元ではなかなか仲間が見つからない人。
逆に、「とにかく一緒に体を動かしたい」「同じ空間でワイワイしたい」という気持ちが強いなら、最初から対面の集まりを探すほうが満足しやすいかもしれません。どちらが上ということはないので、今の自分の生活に合うほうから試してみてください。
オンラインの趣味サークル・イベントにはどんな種類がある?
ひとくちにオンラインの集まりといっても、雰囲気はいろいろです。代表的なものをいくつか紹介します。
話すのが中心の「語り合う会」
読書会、映画やアニメの感想会、好きな作品について語る会など、話すこと自体が目的の集まりです。事前に同じ本や作品を見ておいて当日感想を話すタイプと、それぞれが好きなものを紹介するタイプがあります。話題が決まっているので、初対面でも話すことに困りにくいのがいいところです。
一緒に手を動かす「作業系の会」
イラスト、編み物、プラモデル、勉強、資格の勉強など、それぞれが自分の作業をしながら、ゆるくつながる集まりです。「もくもく会」と呼ばれることもあります。ずっと話している必要はなく、最初と最後に「今日はこれをやります」「ここまで進みました」と報告するくらいのものが多めです。人と話すのが少し苦手な人でも参加しやすいタイプです。
一緒に遊ぶ「ゲーム系の会」
オンラインで遊べるボードゲームやパズル、クイズ大会、オンラインゲームの集まりなどです。遊んでいる最中のやりとりがそのまま会話になるので、自己紹介が苦手でも自然と打ち解けやすいのが特徴です。
見せ合う「発表系の会」
撮った写真、描いた絵、作った料理やお菓子、育てている植物などを画面で見せ合う集まりです。「その色きれいですね」「どうやって作ったんですか」と、相手の作品をきっかけに話が広がります。
最初の一回なら、作業系かゲーム系がおすすめです。話すことを考えなくても、その場にいるだけで参加している感じが持てるからです。
オンラインサークルやイベントの探し方
「ジャンル+オンライン」で探す
いちばんかんたんなのは、自分の好きなジャンルにしぼって、オンライン開催の集まりを探す方法です。対面の集まりにくらべて数は少なめなので、少し広めのジャンルで探すと見つかりやすくなります。たとえば「ミステリー小説」で見つからなければ「読書」、「水彩画」で見つからなければ「お絵かき」というように、一段ひろげてみてください。
開催時間と長さを見る
オンラインの集まりは住む場所に関係なく参加できるぶん、時間がとても大事です。平日の夜なのか、休日の昼なのか。終わる時間は何時か。仕事終わりに参加するなら、自分が落ち着いてパソコンやスマホの前に座れる時間かどうかも考えておくと、当日あわてずにすみます。
初めてなら、1時間くらいで終わる短めの会を選ぶと気がラクです。合わなかったとしても、ちょっと早めに一日が終わった、くらいですみます。
人数の目安を見る
オンラインでは、人数が多すぎると、話す人と聞いているだけの人にはっきり分かれてしまいがちです。仲良くなるきっかけがほしいなら、参加人数が少なめの会や、途中で少人数のグループに分かれる会のほうが、一人ひとりが話す時間をとりやすくなります。
主催者のプロフィールと参加した人の声を見る
オンラインの集まりは、主催者の顔や人柄が見えにくいぶん、事前の情報が手がかりになります。主催者がこれまでどんな会を開いてきたか、参加した人がどんな感想を残しているかを見ておくと、当日の雰囲気がなんとなく想像できます。
サークル選びで見ておきたいポイントは、社会人サークルの選び方の記事にくわしくまとめています。オンラインでも、基本の考え方は同じです。
オンラインイベントに初参加する前の準備
使うツールを一度ためしておく
オンラインの集まりでは、ZoomやGoogle Meetといったビデオ通話のツールがよく使われます。初めて使うツールなら、前日までにアプリを入れて、一度ひらいてみてください。カメラやマイクの許可を求める画面が出てきたり、アプリの更新が始まったりして、開始時間ぎりぎりにあわてる、というのはよくある話です。
ちなみに、無料で使える範囲には時間の上限があることがあります。たとえばGoogle Meetは、サブスクリプションなしの場合、3人以上の会議は最長60分、1対1の通話は最長24時間までとされています。Zoomも、無料のベーシックプランではミーティング1回あたり40分までと案内されています。途中で通話が切れて、主催者が新しいリンクを送り直すことがあるのはこのためです。急に画面が切れても、あわてずに主催者からの連絡を待ってみてください。なお、こうした条件は変わることがあるので、くわしくは各サービスの案内で確かめてください。
イヤホンを用意しておく
意外と大事なのがイヤホンです。スピーカーで聞いていると、自分のマイクがほかの人の声を拾って、相手側に声がこだまのように返ってしまうことがあります。イヤホンを使えば相手の声も聞きとりやすくなりますし、家族がいる部屋でも会話が外にもれにくくなります。
表示される名前を確認しておく
ビデオ通話のツールでは、自分の名前が画面に表示されます。仕事で使っているアカウントのまま入ると、フルネームや会社名が出てしまうことがあるので、事前に確認しておくと安心です。趣味の集まりなら、プロフィールで使っているニックネームにそろえておくと、ほかの参加者も「あの人だ」とわかりやすくなります。
カメラをオンにするかどうかを確かめる
カメラをオンにするのが前提の会もあれば、顔を出さなくてもいい会もあります。気になるなら、イベントの説明を読み返すか、申し込むときに主催者に聞いてみてください。「カメラオフで参加しても大丈夫ですか」と聞かれて困る主催者は、まずいません。
画面越しでも話しやすくなる、当日の過ごし方
入ったら、まずひとこと
オンラインでは、入室しただけだと「いるのかいないのか」がまわりに伝わりにくいものです。入ったら、声かチャットで「こんばんは、初めて参加します」とひとこと言っておくと、主催者も話を振りやすくなります。
声で話すのが苦手なら、チャットやリアクションでも
話すタイミングがつかめないときは、チャット欄や、拍手・いいねのようなリアクションの機能を使ってみてください。「わかります」「それ気になってました」と一行書くだけでも、ちゃんと参加していることが伝わります。オンラインでは、声に出さない参加の仕方もしっかり認められていることが多いです。
話すときは、少しだけゆっくり
ビデオ通話では、音声が少し遅れて届いたり、二人が同時に話して声が重なったりします。いつもより少しだけゆっくり、文の終わりをはっきり話すと、聞く側にも伝わりやすくなります。声が重なってしまったら、「あ、どうぞ」とゆずり合えば大丈夫です。
「聞き専」の日があってもいい
最初の一回は、ほとんど聞いているだけで終わった、ということもあると思います。それでもまったく問題ありません。雰囲気がわかっただけでも、二回目はずっと気がラクになります。
オンラインならではの、気をつけたいこと
画面越しの集まりは家から参加できて気軽な反面、対面とはちがうところに気を配る必要があります。
画面にうつるものと、聞こえる音
カメラをオンにすると、自分の顔だけでなく、うしろの部屋も相手に見えています。窓の外の景色、壁にかけた郵便物やカレンダー、制服、表彰状など、思わぬところから住んでいる地域や生活のことが伝わってしまうことがあります。
気になるなら、壁を背にして座る、背景をぼかす機能を使う、といった方法があります。たとえばZoomには背景をぼかす機能があり、スマホのアプリでもミーティング中に設定からバーチャル背景を開いて「ぼかし」を選べます。
音にも注意が必要です。近くの駅のアナウンスや、町内の放送、家族が名前を呼ぶ声などが、マイクを通して伝わることもあります。話さないあいだはマイクをミュートにしておくと安心です。
画面共有と写真のやりとり
自分の画面を見せる「画面共有」をするときは、パソコンの画面全体ではなく、見せたいウィンドウだけを選ぶようにすると安心です。画面全体を共有すると、届いたばかりの通知やほかのタブ、デスクトップのファイル名まで見えてしまうことがあります。
写真を見せ合う会では、写真にふくまれる情報にも気をつけてください。スマホやデジカメで撮った写真には、撮った日時や機種のほかに、撮った場所の位置情報が入っていることがあります。IPA(情報処理推進機構)は、位置情報が入ったまま写真を公開すると、自宅や子どもが通う学校の場所がわかってしまうおそれがあるとして、投稿する前に位置情報の有無を確かめて、必要なら削除するよう呼びかけています。自宅で撮った写真を共有するときは、とくに気をつけておきたいところです。
録画やスクリーンショットは、ひとこと確認してから
楽しかった会の記念に画面を残したくなることもあると思います。でも、画面にはほかの参加者の顔や名前もうつっています。スクリーンショットや録画をするときは、主催者や参加者にひとこと確認してからにしてください。IPAも、ほかの人が写った写真は、撮ることだけでなく公開することについても、事前に了承を得るよう呼びかけています。
個人の連絡先は、あわてて交換しない
オンラインで話が盛り上がると、「別のアプリでつながりませんか」と誘われることがあります。気が合う相手ならうれしいことですが、まだ数回しか話していない段階なら、急いで個人の連絡先を教えなくても大丈夫です。しばらくは、集まりを見つけたサービスの中でやりとりを続けておくと、何かあったときに運営に相談しやすくなります。
勧誘目的の人の見分け方については、社会人の友達の作り方の記事にまとめているので、あわせて読んでみてください。
オンラインでできた趣味友達と、仲を深めるコツ
同じ会に、何回か続けて顔を出す
オンラインの集まりは、毎回ちがう人が来ることも多く、一回きりだと名前を覚えてもらう前に終わってしまいます。気に入った会があったら、同じ会に何回か続けて参加してみてください。三回目くらいになると、「あ、前回もいましたよね」と声をかけてもらえることが増えてきます。
終わったあとに、感想をひとこと送る
会が終わったあと、主催者や話が合った人に「今日はありがとうございました。〇〇の話、おもしろかったです」とメッセージを送ってみてください。オンラインでは、会が終わるとそのまま画面が閉じて、余韻を話す時間がありません。そのぶん、あとからのひとことが、対面でいう帰り道の会話のような役割をしてくれます。
趣味の「続き」をネタにする
「この前すすめてもらった本、読み始めました」「教えてもらった編み方、ためしてみました」。前回の話の続きを伝えると、相手は自分の話をちゃんと聞いてもらえていたと感じて、うれしくなるものです。オンラインの趣味友達とは、こうした小さな報告を重ねていくうちに、少しずつ距離が近づいていきます。
長く付き合うための考え方は、趣味友達の見つけ方の記事でも紹介しています。
オンラインから、実際に会うようになるとき
何度もオンラインで話しているうちに、「今度、実際に会ってみませんか」という話が出ることもあると思います。
オンラインで顔を合わせていると、なんとなく相手のことをよく知っている気持ちになります。でも、画面で見えているのは相手のほんの一部です。初めて会うときは、二人きりではなく、何人かで集まる対面のイベントやオフ会を選ぶと安心です。オンラインで話していたメンバーで、対面のイベントを開いてみるのもいい方法です。
初めて会うときに気をつけたいことは、友達作りアプリ・サービスの紹介の記事にまとめています。
もちろん、ずっとオンラインだけの付き合いでもかまいません。会ったことはないけれど、週に一度話すのが楽しみ。そんな関係も、立派な趣味友達です。
オンラインの趣味友達作りでよくある疑問
カメラオフで参加してもいい?
会によります。カメラオフでの参加を歓迎している集まりも多いので、気になる場合はイベントの説明を見るか、主催者に聞いてみてください。最初はカメラオフで入って、慣れてきたらオンにする、という人もいます。
地方に住んでいても参加できる?
オンラインの集まりなら、住んでいる場所はほとんど関係ありません。むしろ、近くに同じ趣味の人が少ない地域に住んでいる人ほど、オンラインのよさを感じやすいと思います。ただ、方言や地元の話題で盛り上がりたいなら、同じ地域の人が集まる会を探してみるのも楽しいですよ。
話すのが苦手でもついていける?
大丈夫です。作業系やゲーム系の会なら、話すことよりも「一緒にやること」が中心です。チャットでの参加も認められていることが多いので、自分に合った関わり方を見つけてみてください。
オンラインの集まりを自分で開いてみたい
近くに合う集まりがないなら、自分で開いてみるのもひとつの手です。オンラインなら会場を借りる必要がないので、対面より始めやすい面もあります。サークル運営の基本は、社会人サークルの作り方の記事で紹介しています。
まとめ
オンラインの集まりは、家から気軽に参加できて、近くにいない仲間とも出会える場所です。対面とくらべると「ついで」の会話が生まれにくいぶん、同じ会に続けて参加したり、終わったあとにひとことメッセージを送ったりと、少しだけ自分から動くことが仲良くなる近道になります。
参加する前には、ツールの準備、表示される名前、画面にうつるものを確かめておく。それだけで、当日はぐっと気がラクになります。
トモサーでは、オンラインで開かれるイベントも探せます。気になる集まりはブックマークしておけますし、主催者のプロフィールや参加した人のレビューで雰囲気を確かめてから申し込めます。参加したあとは、DMで感想を送ることもできます。基本の機能は無料で使えるので、くわしくはよくある質問も見てみてください。よかったら、のぞいてみてくださいね。




