「休みの日、気づいたら動画を見ているだけで終わっていた」 「自己紹介で趣味を聞かれると、いつも言葉に詰まる」
そんな自分に、ちょっとモヤモヤしていませんか。
学生の頃は部活や友達づきあいで、なんとなく毎日が埋まっていました。でも社会人になると、平日は仕事で疲れはてて、休日は回復するだけで終わってしまう。「好きなこと」を探す元気なんて残っていない、という人は多いと思います。
この記事は、「趣味がない」と感じている人に向けて書きました。趣味が見つからない理由と、自分の中にあるヒントの探し方、それから一人で悩むより人と一緒に試してみるほうが見つかりやすい理由を、順番にお話しします。立派な趣味を見つける話ではありません。「これ、ちょっと楽しいかも」と思えるものに出会うための話です。
趣味がない社会人は、実はそこまで珍しくない
ちなみに、ほかの人たちは普段、どんなことをして過ごしているんでしょうか。
総務省の「令和3年社会生活基本調査」では、10歳以上の人が過去1年間にどんな趣味や娯楽をしたかを調べています。いちばん多かったのは「CD・スマートフォンなどによる音楽鑑賞」で53.5%。次が「映画館以外での映画鑑賞(テレビ・DVD・パソコンなど)」で52.7%、その次が「スマートフォン・家庭用ゲーム機などによるゲーム」で42.9%でした。
上位に入っているのは、どれも家でできる、ふだんの暮らしの延長のようなものばかりです。音楽を聴く、映画を見る、ゲームをする。多くの人はこうしたことを、わざわざ「趣味です」とは言わないと思います。
つまり、「人に言えるような趣味はない」と感じていても、何も楽しんでいないわけではない人がほとんどなんです。足りないのは趣味そのものではなく、「これが自分の趣味です」と言える手ごたえのほうなのかもしれません。
ちなみにこの調査の対象期間(2020年10月〜2021年10月)には、新型コロナウイルスの緊急事態宣言が2回ふくまれていました。そのためか、カラオケは5年前より17.2ポイント下がって13.5%になっています。人と集まる楽しみから、しばらく離れていた人も多い時期でした。
「趣味がない」と感じてしまう3つの理由
趣味が見つからないのには、たいてい理由があります。自分に当てはまるものがないか、見てみてください。
「趣味」のハードルを上げすぎている
趣味と聞くと、道具にこだわっていたり、何年も続けていたり、人に語れるほどくわしかったりするものを思い浮かべがちです。そうなると、「週末にちょっと散歩する」くらいでは趣味と呼べない気がしてきます。
でも、趣味にうまい下手や年数の決まりはありません。やっている時間が少しでも楽しければ、それで十分です。
始める前に「続くかどうか」を考えてしまう
「道具をそろえても、どうせ続かないかも」 「三日坊主になったら、お金がもったいない」
社会人になると、時間もお金も限られているぶん、失敗したくない気持ちが強くなります。すると、始める前にあれこれ考えて、結局なにも始めない、ということが起きやすくなります。
趣味探しは、何度か外れて当たり前です。外れを減らすより、外れても痛くない試し方をするほうが、結果的に早く見つかります。この試し方は、あとでくわしくお話しします。
疲れていて、楽しむ余力がない
もうひとつ見落としやすいのが、単純に疲れているというパターンです。何をしても楽しく感じられないときは、趣味がないのではなく、心や体が休みを求めているのかもしれません。
そんなときに無理に何かを始めようとすると、趣味探しそのものが負担になってしまいます。まずはしっかり休んで、少し元気が戻ってきたら考える。それくらいの順番で大丈夫です。
自分の中にある、趣味のヒントの探し方
いきなり新しいことを探すより、自分の中にもうあるヒントを拾うほうが近道なことがあります。紙やスマホのメモに、思いついたことを書き出してみてください。
子どもの頃に夢中だったことを思い出す
小学生や中学生の頃、時間を忘れてやっていたことは何でしたか。絵を描く、プラモデルを作る、虫をとる、図書館に通う、友達とゲームで対戦する。大人になってから同じことをやってみると、意外と今でも楽しめたりします。
子どもの頃の「好き」は、損得を考えずに選んだものです。だからこそ、自分の性格にいちばん合っている可能性があります。
自然とお金や時間を使っていることを見る
スマホの動画の視聴履歴や、ここ数か月で買ったものを見返してみてください。料理の動画ばかり見ている、キャンプ用品のページをよく開いている、気づけばカフェのスイーツにお金を使っている。そんな小さな偏りが、興味のありかを教えてくれます。
見ているだけで楽しいものは、実際にやってみるともっと楽しいことが多いです。
「ちょっと気になる」を5つ書き出してみる
「やってみたい」とまでは言えなくても、「ちょっと気になる」ものならいくつか浮かぶのではないでしょうか。ボルダリング、陶芸、ボードゲーム、写真、登山、読書会。理由はなんとなくで構いません。
ここで大事なのは、書き出したものに順位をつけたり、向いているかを考えたりしないことです。まずは「気になる」を集めるだけ。次にお話しする「試す」につなげるための材料です。
趣味探しは「人と一緒に試す」とうまくいきやすい
ヒントが集まったら、次は実際に試してみる番です。ここでおすすめしたいのが、一人で始めるのではなく、誰かが開いている体験の場に参加してみる方法です。
道具をそろえなくても、まず体験できる
たとえばカメラを始めたいと思っても、一人だとまずカメラを買うところからになります。でも、写真を撮りながら街を歩くイベントなら、スマホで参加できることもあります。ボードゲームも、たくさん持っている主催者のところに行けば、自分で買わずにいろいろ遊べます。
最初にお金をかけずにすむので、「合わなかったらどうしよう」というプレッシャーがぐっと小さくなります。
楽しんでいる人を見ると、面白さがわかる
一人で本やネットを見ながら始めると、最初の「よくわからない時期」を越えられずにやめてしまうことがあります。
ところが、すでにその趣味を楽しんでいる人と一緒だと、「ここが面白いんだよ」というポイントを教えてもらえます。楽しそうに話す人を見ているうちに、自分も楽しくなってくる。そんな経験がある人も多いのではないでしょうか。
続ける理由が「人」になる
趣味が続くかどうかは、実は「その活動が好きか」だけで決まるわけではありません。「あの人たちにまた会いたい」という気持ちも、続けるための大きな理由になります。
先ほどの社会生活基本調査では、一人で過ごす時間が5年前よりすべての年齢層で増えていました。家で一人で楽しめるものが増えたぶん、人と一緒に何かをするきっかけは、自分から作らないと生まれにくくなっているのかもしれません。趣味探しを、人とつながるきっかけにしてしまう。それくらいの気持ちで参加してみると、ハードルが少し下がります。
同じ趣味の仲間の探し方については、趣味友達の見つけ方の記事でも紹介しています。
社会人が始めやすい趣味は?気分別の選び方
「気になるもの」がなかなか思いつかない人のために、今の気分から選ぶ方法も紹介します。どれが正解ということはないので、ピンときたものから試してみてください。
体を動かしてすっきりしたい気分のとき
社会生活基本調査のスポーツの項目では、「ウォーキング・軽い体操」が44.3%でいちばん多く、5年前よりも増えていました。特別な道具がいらず、自分のペースで始められるのが人気の理由だと思います。
一人で歩くのもいいですが、みんなで街歩きや山歩きをするイベントに参加すると、景色を見ながら自然と会話が生まれます。調査では「登山・ハイキング」は7.7%、「バドミントン」は6.1%でした。数字だけ見ると少なく感じますが、裏を返せば、同じ趣味の人に出会えると話が盛り上がりやすいジャンルとも言えます。
家でゆっくり楽しみたい気分のとき
読書、ゲーム、料理などは家でも楽しめます。調査では「趣味としての読書(マンガを除く)」が31.6%、「趣味としての料理・菓子作り」が19.0%でした。
家で楽しめる趣味は、人とつながる場があると、さらに楽しくなります。読んだ本を紹介し合う読書会や、同じゲームを遊ぶ集まりに顔を出すと、一人で楽しんでいたときとは違う面白さが見えてきます。
誰かと話すきっかけがほしい気分のとき
人と話したいけれど、何を話せばいいかわからない。そんなときは、手を動かしながら自然と会話ができる趣味が向いています。
ボードゲームは、ルールの説明や遊んでいる最中のやりとりが、そのまま会話になります。写真を撮りながらの散歩なら、「その写真いいですね」の一言から話が広がります。ちなみに調査では「写真の撮影・プリント」が21.9%、「園芸・庭いじり・ガーデニング」が26.0%でした。意外と多くの人が楽しんでいることがわかります。
体験イベントに参加するときの、ちょっとしたコツ
実際に参加するときに知っておくと気がラクになることを、いくつかお話しします。
ひとつめは、「趣味を探しています」と正直に言ってしまうことです。「前から気になっていて、今日が初めてなんです」と伝えると、まわりの人は基本的なことから教えてくれることが多いです。わからないふりをしなくていいので、自分も気がラクになります。
ふたつめは、1回で決めつけないことです。初めての日は、緊張もあって楽しさが半分くらいしかわからないこともあります。「なんとなく悪くなかった」と思えたら、2〜3回は通ってみてください。回を重ねるうちに、面白さがじわじわわかってくることがあります。
みっつめは、合わなかったら次に行けばいい、と決めておくことです。3回行ってみてピンとこなければ、それは向いていなかったというだけの話です。書き出した「気になるものリスト」の次の候補を試してみてください。
一人での参加が不安な人は、社会人の友達の作り方の記事で、気持ちの持ち方を紹介しているので、あわせて読んでみてください。
趣味が見つからないときによくある悩み
飽きっぽくて、何をしても続かない
いろいろ試しては、すぐやめてしまう。そんな自分を責めてしまう人もいるかもしれません。
でも、次々と試せるのは、それだけ好奇心があるということです。ひとつのことを長く続けるのが得意な人もいれば、いろいろなことを少しずつ楽しむのが合っている人もいます。「いろいろ試すこと」そのものを趣味にしてしまうのも、ひとつの楽しみ方です。
お金をかけずに趣味を探したい
最初にまとめて道具を買うのは、何度か体験して「これは続けたい」と思えてからで十分です。先ほどお話ししたように、道具を用意してくれる体験の場に参加すれば、お金をかけずに試せます。
参加費があるイベントもあるので、申し込む前に金額と、何にかかるお金なのかを確認しておくと安心です。
趣味の場で、勧誘されたらどうしよう
残念ながら、趣味の集まりにも別の目的で近づいてくる人はいます。見分け方や気をつけたいポイントは、社会人の友達の作り方の記事にまとめています。
主催者がどんな活動をしているかを事前にしっかり見ておくと、安心して参加しやすくなります。サークルの見きわめ方は、社会人サークルの選び方の記事も参考になると思います。
まとめ
趣味がないと感じるのは、あなたに好きなものがないからではありません。「趣味」のハードルを上げすぎていたり、始める前に考えすぎていたり、ただ疲れていたりするだけのことが多いんです。
子どもの頃に夢中だったこと、ついお金や時間を使っていること、ちょっと気になること。まずは自分の中にあるヒントを集めて、気軽に試してみてください。一人で始めるより、誰かが開いている体験の場に参加するほうが、お金も気持ちも軽くすみます。
トモサーでは、いろいろなジャンルのイベントやサークルを探せます。エリアから探すこともできるので、近くでどんな集まりがあるのかを眺めてみるだけでも、「気になる」が見つかるかもしれません。気になったものはブックマークしておけますし、参加した人のレビューも参考になります。基本の機能は無料で使えるので、よかったらのぞいてみてください。




